心理学を仕事に絡めてご紹介!
はじめに。Introduction
心理学は日常生活においても、仕事においても、ひとつ頭の片隅に入れておきたい要素です。
あくまで心理学は統計的な話なので、すべての人に言えることではないことも注意しましょう。
心理学に関わる
単語一覧List of words related to psychology
いろんな場面で心理的に作用するので、一概にカテゴリ分けするのは難しいのだが、あえていくつかのカテゴリ分けをするので、参考になれば幸いです。
マーケティング編
- スリーセット効果
①第一印象→②再確認→③固定化という流れで人は評価する概念です。
例えば、営業を電話で店舗のオーナー様にした場合。- [ポジティブ]トーク内容がオーナー様に響き、第一印象が良かった
- [ネガティブ]しかし、検討をしたいということで、数日後に検討結果を電話でヒアリングをすると、いくつか質問をいただいたが、即答することができなかった
- [ネガティブ]数日後に電話をして回答を丁寧にさせていただいたが、クロージングトークをスムーズに話すことができなかった
こういった流れが発生してしまった場合、店舗のオーナー様としては、「新人だ」や「不安な担当だな」と営業にネガティブなレッテルを心のどこかで貼り付け、今後はいくら話てもオーナー様的には「不安感」がどこかつきまとう可能性が高くなります。
用途例:営業、プロモーション
- ウィンザー効果
「伯爵夫人はスパイ」という自伝的スパイ・ノンフィクションの本での作中で、ウィンザー伯爵婦人という登場人物がいます。
この夫人が「第三者の誉め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね」といった言葉があり、これが由来と考えられているそうです。そんなウィンザー効果は「第三者が発信した情報は信頼されやすい」という心理的傾向を指します。
例えば、「口コミ」がわかりやすい例ではないでしょうか。
最近では"やらせ"というのを世間が認知してきたため、すべての人に通用するわけではないと思いますが、今でも「口コミ」というのは、なにか選択するときに参考にする機会があると思います。実際、私も「カカクコム」や「食べログ」などと見て、製品を選んだり、お店を選んだりした経験がございます。
これをビジネスに適応すると、自分のサービスに対してのアンケートやインタビューを行って、サイトなどに掲載することで、どんなサービスなのかを客観的に伝えることができ、それが自分で発信するよりもユーザーに対して浸透しやすいので、利用していただく、購入していただく可能性が高くなります。
ここで注意したいのは、「利害関係」ではない誰かに行うのが良いです。
やはり、利害が発生する方に情報を発信してもらうとなると、「お金もらってるから良いこというよね」的な感情をユーザーに抱かせる可能性が高くなり、ストレートに情報を伝えることができません。
場合によっては、炎上するなど逆効果になる可能性があるので、注意が必要です。用途例:プロモーション(アンケート、インタビュー、口コミマーケティングなど)
- ダブルバインド
唱えた人:グレゴリー・ベイトソン(精神科医)
1つのメッセージの中に複数の矛盾したメッセージが含まれた命令を相手にすることで、ネガティブまたはポジティブ結果を与える心理のことを指します。
そして、ネガティブの方を「否定的ダブルバインド」。
ポジティブの方を「肯定的ダブルバインド」と言います。
まず、ダブルバインドは3つの禁止命令から構成されております。
なおこれは単発ではなく、繰り返し行われ構造化し、受け続けた相手が「犠牲者」となります。一次的な禁止命令
「~しろ → さもないと罰する」
または
「~するな → さもないと罰する」
のいずれかのパターンで否定的なメッセージを出すことです。
二次的な禁止命令
「一次的な禁止命令」と矛盾する命令に背くことを禁止する命令です。
「命令」とありますが、言葉ではなく、ため息や暗い表情などの落胆する姿などのジェスチャーから禁止命令を受け取ってしまうこともあります。(無視や拒否などの反応も含め)
三次的な禁止命令
二重拘束のさらに後にあるものです。
一次と二次の矛盾した命令から逃げられないようにするのがこの三次的な禁止命令です。否定的ダブルバインドについて
これは上下関係に多くビジネス面では、「上司と部下」の関係性のときに起こります。
そして難しいのは上司が部下のためだと思って言っている節があり、自覚がない場合が多いそうです。さて、これを会社に落とし込んでみるとこうなります。
▼STORY
■STEP1
新入社員のAさんが入社したので、上司BはそのAさんに「なんでも聞いてくださいね」と親切心から声をかける。
Aさん的には「ありがたいな」なんて思いながら、実務に少しずつ携わっていきます。
そこで、やはりわからないことが出てきます。
そんなときにBさんの言葉を思い出し、Bさんに相談しにいきます。
するとBさんは忙しかったのか、Aさんに「これくらいは自分で考えてください」と突き返してしまいます。
一次的な禁止命令
このとき、Aさんは「なんでも聞いてくださいね→これくらい自分で考えてください」と「一次的な禁止命令」に縛られていきます。■STEP2
しばらくすると、やはりわからないことにAさんつまずきます。
Bさんに以前相談したときに「自分で考えてください」と言われてしまったから、今度は自分でネットなどで調べて、時間をかけて解決にはかります。
そしてそんな様子と見たBさんはAさんに「いまどんな作業をしているの?」と優しく声をかけます。
それてに対して「いま、こういったことがわからないので、30分程度複数の資料を見ながら理解をしようと努めているところです」と答えました。
こんどはBさん指示した業務に時間をかけてほしかったのかAさんに「もっと早く聞いてくれてよかった」と返答します。
二次的な禁止命令
このとき、Aさんは「なんでも聞いてくださいね→これくらい自分で考えてください」、「自分で考える→もっと早く聞く」という方程式、つまり「聞く=自分で考えて=自分で考える=聞いて=聞く」という矛盾かつマイナスなダブルバインド状態が形成されてしまいました。
こういった状態に置かれているAさんは対人関係などにストレスが積もっていきます。
三次的な禁止命令
なお、このときの三次的な禁止命令は「上司BはAさんのためを思って言っている」といったところでしょうか。▲STORY
こういった状況、無意識に起きてしまっている上司の方多いのではないでしょうか?
振る舞い1つ、言い方1つで感じ方が変わります。
注意しましょう。
さて、伝えたいのはここからです。
ポジティブの方の「肯定的ダブルバインド」。
これは営業面などで活用が可能です。
例はこうです。▼STORY
■STEP1
何度か連絡をしていたお客様から有料サービスの相談の連絡をいただいたとします。
そんなときに、お客様から「このサービスにするか、他社のサービスにするか悩んでていて、導入のネックはここなんだよね」とご相談いただきました。
そして営業が「弊社のサービスではこういった工夫をしているのでネックは解消されます」と、まずネックについての解消させます。
続けて「ちなみに、弊社のサービスではこういった機能とこういった機能がありますが、選択できるので、どちらが好みですか?」と質問をします。
一次的な禁止命令
このときお客様は「こういった機能とこういった機能がありますが、どちらが好みですか→やってください」という状況におかれます。
もっと紐解くと、機能を選択するということは、それは購入時に決めることです。
そして、その機能を使えるのは購入したあとです。
つまり、この質問の仕方は、購入を、もっというと、やることを前提にした質問なのです。
■STEP2
お客様は「こっちの機能が好きです」と答えます。
すると、営業は「こっちの機能素敵ですよね。プランはAとBとCがあるのですが、どのプランにしますか?」と質問します。
二次的な禁止命令
一次的な禁止命令のときにも言えるのですが、どのプランを選択してもお客様のゴールは「やってください」です。
三次的な禁止命令
そして、三次的な禁止命令は「営業はお客様のためを思って言っている」でしょうか。
▲STORY
少し無理があるストーリーかもですし、実際にはお金を払うのは当然お客様ですので、最終的なジャッジのときに「やっぱり検討します」となることも多いでしょう。
ここで重要なのが、「機能があります」や「機能を付けますか?」といった形の説明の仕方・聞き方では「ふーん」や「いらないや」と抵抗感があったり、断るハードルが低いのです。
ただ、「この機能と、この機能の2つだったらどっちが好みですか?」というのは、自然と、どちらかをお客様自身が主体性をもって選択する行動に繋がります。
ちなみに僕自身、営業のセールストークでいらぬ契約をしてしまい、後日クーリングオフした経験があるので、無理やり契約をするのは企業にとっても、お客様にとっても当然損失に繋がるので、注意しましょう。用途例:セールス、人間関係
デザイン編
- アフォーダンス:affordance
環境(例えば、物)が動物に対して、提供する(アフォード:afford)「価値」や「意味」のことです。
例えば、取っ手がついている扉であれば、僕らは自然と取っ手を掴んで引いて、扉を開くだろう。
丸く空いた上部のゴミ箱を見たら、なんとなくだが「缶やビン専用のゴミ箱なのかな?」とイメージが付くだろう。
このように、物などの形であったり、素材、色などからそれ自体の扱い方を説明することが可能だということです。用途例:UI
準備中
- ピークエンドの法則
- カタルシシス効果
- 単純接触の法則(ザイアンス効果)
- カリギュラ効果
- 好意の返報性
- アンコンシャス・バイアス
- アイアクセンシングキュー
- 自発的特性転移:第3者を褒める
- カタストロフィー理論
- ABC理論
- ミソジニー(女性蔑視)
- ホモフォビア(同性愛嫌悪)
- ダブルスタンダード
- ハンブルブラッキング
- メラビアンの法則
- ダニング=クルーガー効果
- 4つの壁
- ツァイガルニク効果
- カラーバス効果
- ピグマリオン効果
- ピーターの愛着
- ザイアンスの法則
- セブンヒッツ理論
- 3回安定、10回固定
- ハーズバーグの二要因理論
- マズローの自己実現理論
- ゴールデンサークル理論とニューロ・ロジカル・レベル
- 原因帰属バイアス
- 自尊感情
- 共依存
- ピア効果
- 規制の虜
- ユニフォーム効果
- 脳のオートパイロット機能
- ロジカルモード問題
- 礼儀正しさ
- ゲイン・ロス効果
- 同調:なにかを判断する際、どうしても多数派の意見や行動に自分の考えを合わせてしまう傾向がある
- 観察学習(モデリング):人は何かを学ぶ際、直接的な経験を通して、学習するケースと、他の人の行動を見て学習するケースがあります。
後者が観察学習であり、その結果を通じて行動することを観察行動という。(バンデューラらのモデリング実験:攻撃的なモデルを見ることで、攻撃行動を模倣するかどうかの実験、ゴキブリへの恐怖心なども親の驚いた光景を見たことからの観察行動と言える) - 敵意帰属バイアス:相手にされた行為を、敵意や悪意から生じたものと捉える傾向のこと
- 群集心理:「一体感」「無責任性」「無名性」の3つ。